口呼吸による口内の乾燥で扁桃炎を発症

扁桃炎の女性

口呼吸がクセになることによって様々な弊害が生じることが指摘されていますが、扁桃炎に罹患しやすくなることもその一つです。
扁桃炎は扁桃腺炎とも呼ばれ急性と慢性がありますが、細菌やウイルスが原因となって扁桃腺が炎症を起こして赤く腫れ、やがて白い斑点のような膿を持つようになり、それが広がります。
38度から40度近くの高熱を伴って少しの刺激でのどが痛んで飲食もままならなくなり、首のリンパが腫れるなど重症化すると非常に厄介な病気です。
こういった症状を1年間に4回以上繰り返した場合、慢性扁桃炎と診断され、薬で治癒させるのが難しくなることから、扁桃腺切除手術を行うこともあります。

扁桃炎の直接の発症原因となる細菌やウイルスは、口呼吸の繰り返しで口内が乾燥することから扁桃腺に付着しやすくなります。
通常のように鼻呼吸をしている際にはまず埃など大きめの異物の侵入を鼻毛がガードし、細菌やウイルスなどの微細なものは鼻粘膜の粘液層と細かな線毛が絡め取る働きをします。
鼻の粘液は抗体も持っており、細菌やウイルスが粘膜細胞に付着して侵入することも防ぐ為、鼻のフィルター機能によってきれいになった空気が体内に送り込まれます。
鼻を通った空気は感染症にかかるリスクを低減させたものとなっていますが、口呼吸で取り込むものは細菌などの異物をそのまま侵入させてしまう空気です。

扁桃腺は舌の付け根の両側にある盛り上がった部分にあるリンパ組織で、本来は体内に侵入しようとする細菌やウイルスなどから身体を守る役割を果たしています。
それが過労やストレスなどが要因となって免疫力が低下してしまうことで、扁桃腺に付着した細菌やウイルスが増殖し炎症を起こした状態こそが扁桃炎です。
鼻を通ってきれいになった空気では扁桃腺に病原菌が付きにくくなるところ、口呼吸によって容易に侵入を許してしまうことで扁桃炎に罹患しやすくなってしまいます。
口呼吸によって口内やのどが乾燥した状態のままになるのも、細菌やウイルスが取り付いて炎症を起こしやすい原因になります。

口呼吸が招く扁桃炎以外の危険な疾患

口呼吸がクセになってしまうと扁桃炎に罹患しやすくなるほか、口内が乾燥することによって虫歯や歯周炎を発症するリスクも増大します。
虫歯も歯周炎も食後に必ずブラッシングを行って、丁寧に食べかすや歯垢を落としていれば安心という印象がありますが、口呼吸を行って口内が乾燥し、唾液が渇き気味になっている人は要注意です。
唾液は口腔粘膜を保護する役割を果たしているほか、口内に侵入した細菌を洗い流したり、細菌が出している毒素を和らげる作用も持っています。
唾液の減少は細菌への防御力を著しく低下させてしまうことは明らかです。

虫歯も歯周炎も口内の細菌によって発症するため、口呼吸によって口内が乾燥気味のままでは常にかかりやすい状態になっており、扁桃炎同様に何らかの原因で免疫力が低下していると細菌が増殖して一気に悪化する恐れもあります。
歯周炎は歯周ポケットが炎症を起こす歯肉炎がさらに悪化した状態で、歯周病においてはかなり症状が進んだ状態です。
初期は痛みをあまり感じないこともあり、気付かないうちに症状が進んで、やがて飲食時の刺激などで炎症部分に痛みを感じるようになり、炎症が歯槽骨という歯を支える骨にまで及んでしまうと歯がぐらついて、やがて抜けてしまいます。

歯を失ってしまう原因では虫歯の悪化を連想する人が少なくありませんが、実際には歯周炎を含む歯周病が、成人が歯を失う原因として最も多いといわれています。
歯周炎は加齢と共に罹患しやすくなる病気ですが、口呼吸による口内乾燥でそのリスクが大いに上昇することは明白です。
口呼吸を繰り返さないよう注意することが重要で、鼻に空気が通らない原因となっている疾患がある場合には、早めに治療しておく必要があります。